こんにちわ!てらっちです♪
やる気は出すものではなくて、出てくるもの!
さて、子どもたちにやる気を出させるなんて魔法のようなことができるのでしょうか?
小学校の先生、ぬまっちを知っていますか?
独自の教育法を編み出し注目の先生です。
最近はテレビなどにも出ていますね。
ここしばらく、私の中でぬまっちフィーバーが起こり(笑)、ぬまっちが気になってしまい、一気に彼の著書の4冊読んでみたので、そのブックレビューをお送りします。
今回その一冊は、『やる気を引き出す黄金ルール 動く人を育てる35のルール』沼田晶弘著ブックレビューです。
小学校の遠足で『帝国ホテルでディナー』?
果たして、子どものやる気なんて引き出すことができるのでしょうか?
それを実践してしまう人。
それがぬまっち。
国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生です。
子どもと同じ友人として学校以外では先生と呼ぶな、ということで、子どもが名付けたのがぬまっちです。私がてらっちだから、勝手に親近感を持っています笑
ぬまっちは、子どもたちにやる気を出させる魔法使い。子どもがどんどんポジティブに動き出してしまう、親からすると魔法のような教育をしている小学校の先生。
あるクラスの時、最後の遠足に、『帝国ホテルでディナー&リムジン』を実現させてしまったのだから!
すごいでしょ?帝国ホテルなんて私も行ったことありません。
いや、何がすごいって、そのビジョンは子どもたちが考え出したものだっていうこと。目標の実現のために、どうしたらいいのかを話し合い、自分たちでお金をコンクールで稼ぐことにします。そして、最後には実際に帝国ホテルでディナーを勝ち取るんですから。
一体、何が子どもたちを動かしているのでしょうか?
コーチングとチームビルディングの理論
ぬまっちは、アメリカに留学している時、コーチングを実際に体験してきました。
帝国ホテルだけではなく、いろんな新しい手法を子どもたちにやっているのですが、その中の一つが、ダンシング掃除。
掃除中に音楽をかけ、サビの部分は掃除をやめ、ダンスをするというルール。
そう、サビの間は掃除をしては”いけない”のです。
それもちゃんとした理論に基づいたもの。
ダンスをしながらだから、子どもたちも楽しそうで、一番好きな時間は「掃除」!というのだから、その効果は絶大です。
ぬまっちはとにかくどうしたら子どもワクワクしながら勉強や活動ができるかをあの手この手で考えています。
もう感心しますよ。
子どもたちは勉強させされているのを気づかないまま(いや、気づいても楽しいからいいか、となっていると思われる)、ワクワクして自分から勉強するんですから、真似しない手はありません。
子どもたちを自分から動き出させてしまうその手腕、ダンシング掃除の記事を初めて読んだときは、ただ子どもたちを楽しませてやらせていると思っていたんですが、実際にはしっかりとしたコーチングとチームビルディングの理論に基づいていました。
あ、ちなみにアメリカ仕込みのその教育論を、ビジネスに応用できるよう、書かれているのが本作です。
ビジネスに向けての言葉にちょくちょく変えてはいるけれど、
コーチングを学校で使うと、こんな形になるのか!とかなり勉強になる一冊。
やる気が出る環境を作る
学校でも、会社でも、ぬまっちはまずやる気が出る環境を作ろうといいます。
やる気を引き出す環境を作ってあるため、今ではぬまっちが用事で遅れて学校へ行くと、先に生徒が授業をしていたりするんですね。
小学生が先生がいないと、先に授業をしているんですよ。
でも。それも突飛なことではないことが、読んでいるとわかります。
普段から子どもたちが自分たちで考え、自分の言葉で発表し、動くことをトレーニングされているから、タンニン(ぬまっちの本ではカタカナで書いている)がいないと、「じゃあ、俺たちでやるか!」と自然な流れとしてなったのだと納得。
もちろん初めからそうなったのではありません。
彼が実践しているのが、コーチング。
コーチングを今の日本にうまく取り入れたのがぬまっちなんだろうなと思います。
いや、実際には普通の学校とはかなりかけ離れた教育方法です。
でも、子どもたちが本当に楽しそうに生き生きして、自分たちで考えて動きます。
そして、本を読む限り、先生がそこまで授業していない印象笑(そうではないんでしょうけど)だから、先生もうまくいったら楽になるんじゃないかな。だって子どもたちが授業をやってくれるんですから。
お分かりでしょうが、誰かに教えるって一番記憶に残るんですよね。
きっと子どもたちは、クラスの前に立って教えたことは忘れないでしょう。
本書のキーワード
気になったキーワードを覚書として書いておきます。
・信頼関係を作る
どんな時でも味方になってくれると信じてもらう関係になっています!
・「課題」「制限」「報酬」でやる気にさせる。
沼田式を表すキーワード。制限をすることでやる気がアップ!
・課題を相手がワクワクする方向へ持っていく
勝手に観光大使など。課題は興味を引くよう発表。興味を持った状態でリードしていき、あとは子どもたちがやる気になるようにさりげなく誘導。
・ゴールだけを設定、あとは本人に任せきる
中途半端に声をかけず、本人に任せています
・正解を伝えない
・褒めるを使いこなす(報酬)
褒めテクが実に絶妙。誰かと比較はしないなど、彼の理論は納得すること多し
・会議はさんまのようなMC型で意見を引き出す
・先入観にとらわれない
・個別に毎日日記をやり取りすることで、いざという時のヘルプを見逃さない
ぬまっち、子どもたちのことを本当によく見ています。
それぞれの子どもたちがいかに生き生きとして、得意な場所で活躍できるかも考えています。
例えば運動会のリレー。リレーはクラスのチーム戦。絶対勝つぞ!という時に活躍したのが、実は足の遅い女の子。彼女がチームを仕分けたり、指示したり、振り分けたりすることで裏でチームに貢献していたという話。
足が遅いから貢献できないってわけじゃないんですね。
これからの世界が目指している社会ってこれじゃないかと思うわけです。
同じ目標に向かって、子どもたちで考えて、自分の得意や強みを使って勝ちを掴み取る。
まとめ
一応表向き「ビジネス」向けのような書き方になっていますが、やはり小学校での活動の記述がとても興味深い。
他のぬまっちの本よりも、実際にどういう理論で子どもたちを引っ張り、声かけをしているかが詳しく書かれています。
子供や部下にどういう対応をしたらいいのか悩む人の参考になると思いますよ。