こんにちは! てらっちです♪
NHKの『ドキュメント72hours』で『レンタル なんもしない人』というのをやっていました。
NHKドキュメンタリー - ドキュメント72時間「密着!“レンタル なんもしない人”」
「なんもしない私を貸し出します」
何にもしない自分をレンタルで貸し出した人がツイッターで話題になっているそうです。
レンタルで、なんにもしないけど、ただそこにいてほしい。そんな人に自分の時間をレンタルしている人を72時間追いかける番組。
そしてお礼として受け取るのはそこへ行くまでにかかった交通費だけで、あとのお代はいただきません。
さらにさらに、この人、本っっっっっ当になんもしないんです。
なにもしないのに、レンタル回数はこの9ヶ月で1000件を超えるほど。
タダとはいえ、なんもしない人に需要なんてないでしょうと思ったら、ぜひ彼に来てほしいって人がそんなにいるんですから不思議。
実際に彼を呼んだ理由は様々。
今の現代社会の闇も垣間見え、なかなか考えさせられるものでした。
こんな人がこの72時間にレンタルしていました。
》料理を食べてもらいたい
普段は家族に作っているが、それが当然になってしまい、「おいしい」とか「ありがとう」など反応がなくなったのが辛い。ただ、彼には家で食べてもらっただけなのに、作っていて楽しかったとお土産まで渡していた。
》会議のアイスブレイクに、来てほしい
一度会議のアイスブレイクがわりに呼んだら、真面目な会議の横で何もしない彼の存在が面白かった。
》芋煮会に参加して
震災を、偲び芋煮会。それに来てほしい。ただ、行って一緒に食べるだけでも大変喜ばれていた。
》入りづらいバーにいっしょに行って
なにやら思い悩む女性、愚痴をこぼした言葉を「あ、独り言」という。「あ、独り言なんすか」程度の会話の彼。依頼者は何かを言ってもらうことさえ期待はしていないらしい。
》明日から整形のため韓国へ。その前に不安なので一緒にいてほしい
もう何度目かの整形の顔を残しておきたいという。彼は依頼者の女性が荷造りしている横にいるだけ。
「本当になんもしないんですね」と依頼者。
》ツイッターで、悩む就活生から。ただ、「大丈夫、君はがんばってるよ」と言ってもらいたい。
本当に、彼は「大丈夫、君はがんばってるよ」とそのままの文面を返しただけ。それでも相手はとても喜んでいた。あとで、amazonギフト券が届く。
レンタルを始めた彼は、なんとまだ9ヶ月の子どももいる中、このほぼ稼ぎのない状態の活動をしています。
奥さんがそれを認めているのもすごい。
彼がどこへ行くのか、気になる人物でした。
なぜ彼が必要とされているのか、理解に苦しんだ我が家では議論の的になりました。
ふと思ったんですが、もしかしたら、カウンセリングやコーチングに近い効果がもしかしたらあるのかなと。
コーチングの師匠塙さんの提唱するコーチングに似ているんじゃないかと思ったのです。
塙さんの言うには、コーチはほぼ何にもしないで、クライアントが一人で話をして満足している状態がベスト。(そんなこと言ってない?)
レンタルの彼は、肯定も否定もせず、ただそこにいるだけ。
なにもしていないのに、なぜか相手は感謝して、人によってはタダだというのにお礼を渡し、とても本人は満足している。
私の前回のセッションが、ほぼ何にもしてなかったんだけど、それでもなんだか成立していたので、これに近いのかもなーなんて思いました。
人との繋がりが辛くて、人に気を使うのが面倒で、なのに、レンタルで彼を借りる、そんな人が多かったのが印象的でした。
人との繋がりが辛いのに、結局人を求めてるんです。なにもしない人でいい。なにもしない人の方が気が楽。
面白いなあ。
まだ彼をレンタルしたい人の気持ちは完全に理解していないんだけど、ただ、交通費を払って来てくれるのなら会ってみたいな、とは思いました。
これがビジネスになるのかはわかりませんが、ただそこにいてくれるだけでいい、それでも生きていけるのがもっと長期で証明できたら、世間の人たちの働くという概念は彼を通して崩れていくのかもしれません。