おはようございます。てらっちです。
東京大学での上野千鶴子さんの祝辞が賛否両論、物議を醸しているとのこと。
差別について、私なりに思っていることを書いてみたいと思います。
親御さんやともすれば学生さんにとっても、せっかく苦労して東京大学に入ったのに、と出鼻を挫かれる冒頭だったと思います。
前半部分は、東京医科大不正入試問題の女子学生と浪人生に差別があった話や東大工学部と大学院の男子学生5人による、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件にまで触れているため、かなりショッキングです。親御さんにしてみれば、感動も半減する出だしだったでしょう。
でも、差別を受けていると感じている身からすると、とても心に訴える素晴らしい祝辞だと感じたのでした。
私は、学生当時、東京に住んでいました。
母がシングルマザーのためもあり、昼間に働きながら夜通うことのできる夜間の公立短期大学に入りました。
月の月謝が1万円だったので、本当に学費的には助かりましたし、友人もできて楽しい数ヶ月を送っていたんです。
でも、ずっと母がずっと患っていた精神病がさらにひどくなり、朝の5時から近所の家の木を切ってしまったため、母は祖母と伯父によって実家の静岡に連れて帰ってしまいます。
母を誰かが見なければならないので私も静岡へと行きました。
弟は、高校があったので、とりあえず東京に残り一人暮らしをして苦労をしました。
それはそれで良かったのですが……。
私は短期大学休学を余儀なくされている中、祖母と伯父の判断で弟は大学進学を認められました。
私は大学へ行きたいと訴えましたが、「女が大学へ行ってどうする」と言われ断念。
その時の無念さはありません。
今考えれば、もう少し選択肢があったかもしれませんが、その時は、友人たちに会いたいばかりに大学に戻る事ばかり考えて泣いていました。
かといって当然母を放って東京に行けるわけはない。
半年は、試験だけを受けに行き、友人たちの代返のおかげで単位を取ることができました。でもそんな負担をいつまでも続けられるわけはありません。
(夜間の短期大学は3年あるのです)
男は大学に行って働かなければならない、女は家で家族の面倒を見ろ。
それを受け入れて、私は母の面倒を見て静岡にいる事にし、大学は退学しました。
弟が、本当に本当に羨ましかったのを覚えています。
だから、自分の子供たちが望むなら、大学進学はさせたかった。
なので、本人たちの希望を聞いて、主人の反対を押し切って大学に無理やり進ませました。
旦那はお金ばかりかかって、と文句を言っていましたが、結果的に良かったと信じています。
でも、私の中では別の感情もあります。
子供たちが羨ましい。
私も大学へ行きたかった。
20年以上経っても、子供たちが羨ましすぎて憎いほどの感情が渦巻く瞬間があったことを告白します。
おそらくそんな差別を実感したことのない人にはわからない感情でしょう。
差別とは、そういうものでしょ?というそれが当然と信じ込んでいる”常識"という仮面を被った見えない凶器です。
いじめも、なんでそんなことをするのか理解できない、と言いながら、当の加害者だったりするのがいじめです。いじめている方はそこまで相手が傷ついているとはわからないし、自分の正義と常識の範囲内であれば、いじめではない、と信じているからです。
差別は巨大な無意識の集まりだから、抗えば抗うほど自分の無力感を感じる事になります。
私の事例では、母の病気もあるため、一概に男女差別ばかりではないのかもしれませんが、伯父に言われた一言、「女が大学へ行ってどうする」はずっと私の心の中に突き刺さっています。
それじゃあ、私が男だったら大学へ行けたの?
その無念さのかけらが今でも私の心に刺さったまま残っていると、今回の上野さんの祝辞を読んで実感しました。
上野さんは、そんな中で先頭を切ってその道を開いてきたと語りました。
声を上げていくしかないのでしょう。
今友人が(勝手に友人だと思っている)差別にあって日々苦しんでいます。
どうしてあげたらいいのかわかりません。
差別という無意識の凶器が、1日も早く無くなるために、何をしたらいいのでしょう。
とりあえず本読んでみます。
一冊予約したんですけど、もう売り切れ。
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▼この本が有名ですよね。というか、この本の人か!と思いました。
▼面白そうなので、遥洋子さんの本も買ってみました。
▼現代思想に総特集まで組まれていました。

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