長時間労働をやってみた
長時間労働がいかに体を蝕んでいくのか、人体実験してみました。
まあ当然喜んで人体実験したわけではなく、仕事をしていたら、ある日突然長時間労働に突入していたわけで、結果人体実験状態になっていたって寸法です。
半年前のある日、うちの会社に突然莫大な注文が舞いおり、それからその冗談のような注文をこなす日々がつづきました。
やれるだけのことはし、意見できることはしていきましたが、それ以上は下っ端にはもうどうしようもなく、長時間労働をこなす日々。
その長時間労働で、わたしの体にどのような変化が起こったのか、記録しておきたいと思います。何かの参考になればと思います。…………なるんかな(^^;)
長時間労働は突然はじまった。
職種にもよるのでしょうが、製造業ですと何より注文に左右されます。
注文を社内でももちろんこなしますが、外部にも発注しますが、どの時点で判断をして外部に回すかは上司の判断です。
今回は、親企業から、〇〇百台の注文が入る、という予告がありました。
予告はあったのですが、今まで予告通りに注文が入ることはなかったので、あまり真剣に周囲は動きませんでした。大量注文が入ると予告ばかりで、実際に人を雇うと中身はからっぽ、逆に注文が減っていたということが何度もあったからだと思われます。
実際に注文が入るまではみな疑ってかかっていました。材料だけの注文はし、そちらの準備だけはしてありました。
そんなある日、その莫大な注文が、現実のものとして姿を現しました。
形となって正規の注文の形で表れたのです!
しかし不思議なことに実際に注文が入っても同僚たちは呆然とするだけで、手を打とうという気はありませんでした。
わたしはまず同僚から話をしていきました。外部にもまわさないとこなせないだろうと。今動かないとどうにもならないと。しかし鼻で笑われて終わりました。上司に話をしても聴いてはくれないだろうという諦めの言葉だけが返ってきます。
わたしは直属の上司に話をしました。上司も情けない顔をしただけで、自分の判断では動けないというだけでした。わたしはさらに工場長、社長にまで話をしました。小さい会社ですから社長に話をするのもすぐにできます。わが社ではあまり利用していなかった派遣も視野にいれてはどうかと。それに知り合いから仕事をほしいという口があると話をもっていきました。が、どちらもあまり乗り気ではありませんでした。外国の人が多い派遣やその関連会社には難色を示したのです。
ただ時間ばかりが流れていきました。
そして手をこまねいている間に、実際に莫大な注文が津波のように襲ってきました。
でも1カ月から2カ月ならなんとかなる。いつもその程度で波はすぎ、越えてしまうのですから、おそらくみなそんな気持ちで注文をこなしていきました。
わたしも何度か、注文をこなすためのアイデアを出しましたが、次第に仕事量の波にのまれてそんなアイデアを出している余裕もなくなってしまいます。
そして、その津波はいつまでたっても引いていかず、次から次へと襲ってくるのでした。
プライベートな時間がなくなっていく
残業してから、家に帰って家事、それから持ち帰り仕事……という生活が半年ちかくつづきました。プライベートな時間はほぼなくなり、隙間にそれでもオーディブルを聴いていました。本当にそれがやっとの自己投資の時間です。
睡眠が大事だ、休息がいかに大事かというオーディブルを聴きながら、苦笑です。
聴きながら、理解していながら実践できない自分に嫌悪感です。
疲労がたまり、思考能力が落ちるのを実感する
睡眠不足は思考機能の低下を招きました。行動や判断の遅さを実感します。実際に不良品が増えてしまいますが、検査でかならず抜き出される不良なので、数をこなす方を優先させました。
毎日、毎日、夜遅くまで働き、土日も持ち帰り仕事。
しばらくその生活をつづけると、その忙しさで内職さんが倒れ、さらに仕事量が増えてしまいます。
わたしはなんとか最低限の睡眠時間、6時間だけは確保して生活をつづけました。車での通勤時間も片道30分あるので、これ以上減らすことは危険だったのです。
6時間、けっこうしっかり寝てるじゃん、と思われる方もあるかもしれません。
それ以外の時間、ずっと仕事や家事となると、身体が休まる時間が本当にないのです。それだけ睡眠時間をとっていても、判断能力がどんどん低下していくのがわかりました。
アイデアや活力もなくなっていく
長時間労働をしていると、当然ですが次第に判断能力が衰えます。
これではどうしようもない、と思ってもどうしたらいいだろう?と考える余裕もなくなってきます。余裕がなくなると、ただ惰性で仕事をこなすだけになり、状況を打破しようという活力もなくなってきました。
…………明日へつづきます。