こんにちわ、てらっちです♪
本を断捨離していて、やっぱりやってしまいました、途中で読みだしてしまう病(笑)
こういう時間がないときに読む本って本当に楽しいものです。早く片付けろって。
そこで久しぶりに目にしたのがこの一冊。
『外科室・高野聖』泉鏡花著
これを読んだのは高校生の時でした。
それまで洋楽にはまっていたわたしは、日本語よりも英語の方が美しい言語だと堅く信じていました。
英語の方が、カッコいいじゃないですか、音楽でも、映画でも。
響きというか、流れるような言葉、RやTHの日本語にはない発音。
まあ残念ながら英語の成績はまったくさーーっぱりだったんですがね(笑)
そんな洋楽かぶれだった時代になんのきっかけか読んだのがこちら、泉鏡花でした。
作家、泉鏡花をご存知でしょうか?
文芸ものが好きな人は是非一度読んでください。
苦手な人は無理に読まなくて大丈夫です(*^^*)
ただ、わたしはこの本で非常にショックを受けました。
何にショックを受けたのかというと、
「日本語ってこんなに美しかったんだ!!!!」
ということ。
講談のようにリズムがあって心地よい響きの中に、なまめかしい女性や、武骨な男が舞台を観ているかのように語りだす。
そしてその文章を彩っているのがあまりに多彩な言葉たち。彼の語彙数はどれくらいあるんだろうと首をかしげてしまうほどの、今まで見たことのない言葉たちが連綿と紡がれていく。
泉鏡花は明治に活躍された方だから、昔の日本語の響きを持っています。
でも同じ時代、明治に活躍された文豪たちの文章よりはこの独特のリズム感で読みやすいのではないかしら。
当時のわたしはこの泉鏡花にはまって、何度も繰り返し読み(でも読むのが遅いのでしれているのだけど)言葉の美しさに魅了されました。
見出しの写真は、断捨離中に出てきたこの本の表紙。映画化記念して出版されたようで、主人公はあの吉永小百合さんだったんですね。
『外科室』はなんとも言えない妖艶な魅力があります。
ここから先はネタバレですので、オチを知りたくない方はここまでで。
1人の高貴な女性が手術を受けるのですが、当時の手術は家族もその場にいるのか、
「麻酔をするとうわごとを言ってしまい、主人に分かってしまうから、わたくしは麻酔をしません」ときっぱり言い切ります。
要するに、想いを寄せている人の名を口に出してしまうから、麻酔で眠りたくないと。これだけ思っているのだから、きっと口をついて出てしまうだろうと、彼女は麻酔をずっと拒みます。
それから……。
結局麻酔なしの手術が始まります。
執刀する医師に身を任せ、真白な肌にメスが入り……
美しい夫人が医師の腕を握り苦痛に耐え、しかしそれを受け入れているその姿。
この映像(わたしの妄想)は、けっこうエロティックです。
その執刀している医師が、想いを寄せている人だった、という……。
短編ですが、女性の妖艶さにうっとりしてしまう作品です。
まあ、その後他の一般女性たちをボロクソ言うところは時代でしょうが。まあそこはツッコミどころ。
たしかにこの夫人の美しさは、吉永さんでなければ演じられない、そう思える美貌を文章から想像してしまいます。DVDはみていませんが、吉永さんがこの女性を演じるなら観てみたいですね。
今日はこの辺で。
断捨離読書はほどほどにします(*^^*)
てらっちでした♪