大ベストセラー『嫌われる勇気』の続編、『幸せになる勇気』を読みました。
今回も、途中でいろいろな想いをめぐらせながら読んでいたら、涙が出てきました。前作でも泣いていますが、今回もアドラー先生の深い想いに泣かせてくれます。
アドラー先生、今回もいろいろなきづきをありがとう。
前作の『嫌われる勇気』は全体的に、主語が”I”(わたし)で、自分がどうあるべきか、自分を中心とした目線の話しであったかなと思います。
私には能力があるという意識、人々はわたしの仲間であるという意識
過去に目を向けるのではなく目的に目を向けること。
「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」など、
主語として、自分が主軸だったように思います。じぶんの眼から見て、どうあるべきか。嫌われる勇気をもって、自分としてありつづけること。
それに対して『幸せになる勇気』の基本は”WE”なんじゃないかと。
愛とは自立すること。
幸福の本質は「貢献感」であるということ。
他者を愛することによって得られる「共同体感覚」
他者と関わり、他者を含めた関係はWEから出てくる言葉だと思いませんか。
それから人生には、「仕事、交友、愛のタスク」があると言います。
中でも愛のタスクが重要で、それについても青年と哲人でじっくりじっくり、語られています。
親に守られてきた愛から自立すること、他者を愛する事ではじめて人は自立する。
親子の愛からはじまり、親から愛されるために繰り広げられる兄弟間の静かな抗争。それが第一子、末っ子と生まれた順序でその子の性格にも根ざしていきます。
アドラーは兄弟の生まれた順番をとても重視していたんですね。教育者としてのアドラー先生の愛に関しての話しはなかなか奥深い話しですので、また再読して勉強したいと思います。
仕事に関してもアドラー先生の言葉。
「仕事によってみとめられるのは、機能であって、あなたではない。……仕事に身を奉げるだけでは幸福を得られない」
これ、結構ショックでした。わたし、あれだけ一生懸命やっても機能でしかないんだ^^;
一時期、これが一番大事だと、仕事に身を奉げていた自分。安月給なのにね。人一倍働いてましたよ。いまでもやるときは最大限やりますが、わたしの中での仕事の順位は家庭と入れ替わり、下位へと落ちました。子供がもっと小さいときにこの順位にしてあげたかったな。犠牲にしてきたことの大きさを今さらながら実感しています。
そして人生の中盤を生きているものとして心に響いたのが次の言葉でした。
「すべての出会いと人間関係において、ただひたすら「最良の別れ」に向けた不断の努力を傾ける」
最近、いろいろと不幸があったり、身近な人の病気の話しを聴くにつれ、哀しい別ればかり考えてしまいがちな中、「最良の別れ」という言葉は新鮮でした。いま家族や、友人と別れるということになり、関係が終わってしまったとしても、心から「最良の別れだ」と言えるかどうか。
どうしたら、そう言って別れを迎えることができるのか……。
「いま、ここを真剣に生きる」
それしかないようです。
今までも真剣だったんですけどね、でもその真剣が仕事に向いていたりして、ベクトルの方向を間違えると幸せから遠ざかってしまいます。
人を愛する勇気を今回のアドラー先生は語っています。
人を愛し、尊敬し、giveの精神で見返りを求めず、いまここを真剣に生きる。
キリスト様や……。そう思いながら。
それにしても、哲人に反抗気味の青年くん。今回も最後の最後になるとあれだけ反対意見を饒舌に述べていたのに急に改心してしまうのが笑ってしまいます。あんたねえ、今までずっと文句言ってたじゃない(笑)
でも、教育者としてふたたび走りだした彼を応援したいわ。
いえ、わたしも共にアドラーの道を一緒に走って行きたいと思います。
てらっちでした♪
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